運輸課社員インタビュー 『玉尾 和也』(元いすみ市地域おこし協力隊)

今回は、地域おこし協力隊としていすみ鉄道に携わった経験を活かし、現在は正社員として活躍されている玉尾さんへのインタビューを行いました。

玉尾さんは、大手鉄道会社での勤務経験をお持ちです。大手を知っているからこそ感じるローカル線で働くことの魅力や、地域おこし協力隊としていすみ鉄道と出会った経緯、現在の業務内容などについて詳しくお話を伺いました。

プロフィール

玉尾 和也さん|いすみ鉄道株式会社 運輸課(元いすみ市地域おこし協力隊)

2022年11月 中途入社

新卒で大手鉄道会社に入社し、3年半駅員として活躍。
2019年11月からいすみ市地域おこし協力隊としていすみ鉄道に3年間携わり、2022年11月にいすみ鉄道に入社した。
入社後は運転士の免許も取得し、現在は後輩社員の育成にも携わっている。

運命の出会いが導いた、鉄道人生の転換点

――地域おこし協力隊としていすみ鉄道に携わったことがきっかけで、いすみ鉄道に入社した玉尾さん。地域おこし協力隊としていすみ鉄道のミッションを選んだ理由を教えてください。

大きなきっかけとなったのは、いすみ鉄道の近くにある小湊鉄道で活躍されている地域おこし協力隊の方との出会いでした。その方との会話を通じて、地域おこし協力隊という活動、中でも鉄道というミッションについて初めて深く知れたんです。

当時、私は大手鉄道会社で駅員として働いていました。運転士になるという夢を抱いていましたが、大手の鉄道会社では、運転士になるための競争が非常に厳しく、身体検査などの高いハードルも存在していました。そのため、将来に対して漠然とした不安を感じていました。

そんな中、小湊鉄道の方と出会い、鉄道に関わる多様な働き方があることを知りました。そして、いすみ鉄道の地域おこし協力隊の募集を知り、自身が千葉県出身ということもあり、この地域で自分の力を試したいという気持ちが芽生えたんです。特に、小湊鉄道の方とのコラボレーションの可能性を感じ、この決断を後押ししてもらいました。

チームワークで運行を支える、運転士の仕事

――現在担当されている業務について教えてください。

現在は運輸課に所属し、運転士として勤務しています。運転士は、1日5人ほどのチームで運行を担当しており、シフト制で勤務しています。

朝2人、昼間1人、夜2人の構成で、始発を担当する場合は5時過ぎに出勤し、昼過ぎに退勤となります。終電を担当する場合は、昼過ぎに出勤し、21時半頃まで勤務します。朝と夜で勤務時間が大きく異なりますが、しっかり働きやすさを考慮されたシフトの流れがあるので、慣れれば問題ありません。

また、基本的に3日勤務して1日休みというサイクルで勤務していますが、運行状況や人員の都合により、シフトが変更になることもあります。例えば、誰かが急に休んでしまった場合などには、予備勤務として対応することがあります。

運転業務以外の時間には本社に出勤し、各部署のサポート業務や、手が回っていない業務の補助などを行っています。

年齢差を超えて築いた、信頼関係

――入社してみてギャップを感じたことはありましたか。

私は2019年11月から地域おこし協力隊としていすみ鉄道に携わり、2022年11月に入社しました。そのため、社内の雰囲気には慣れていたため、入社後に大きなギャップを感じることはありませんでした。

ただ、地域おこし協力隊として初めていすみ鉄道に来た際は、社員の方々の年齢層の高さに驚きました。当時、私が20代で最年少だったこともあり、年齢が離れた方々との仕事に少し戸惑いを覚えたことを覚えています。

特に、営業課に所属していた私は、鉄道を動かす運輸課の方々との連携が不可欠でした。そこで、日頃から声かけをしたり、小さなことからコミュニケーションをとるように心掛けました。そうすることで、少しずつ信頼関係を築き、円滑に仕事を進められるようになりましたね。

風通しの良い職場環境で、自分らしく働く

――大手鉄道会社の勤務経験があるからこそ感じる違いはありましたか。

大手鉄道会社に勤務していた頃は、所属する駅での業務が中心で、他の部署との連携はほとんどありませんでした。しかし、いすみ鉄道では、オフィスがワンフロアに集約されており、社長の机も近くにあり、社員間の距離が非常に近いです。そのため、さまざまな部署の方と意見交換がしやすく、新しいことに挑戦しやすい風通しの良い環境だと感じています。

また、大手鉄道会社では、駅員の業務が細かく分担されており、自由な裁量で仕事を進めることが難しかったように思います。一方、いすみ鉄道では、比較的自由な裁量で仕事を進められ、自己研鑽の時間にあてるなど、個々の成長につながるような働き方ができる点が魅力です。

困難を乗り越え、一人前の運転士へ

――これまで大変だったことや、困難を解消した経験があれば教えてください。

運転士の資格取得は、私にとって大きな挑戦でした。2022年11月に入社し、かねてより望んでいた運転士の道に進ませてもらえたことは嬉しかったですが、同時に大きなプレッシャーも感じました。

運転士の国家試験は、学科試験と実技試験の2つがあり、特に実技試験の訓練は想像以上に厳しかったことを覚えています。学科試験に合格した後、わずか2ヶ月ほどの期間で実技試験に臨まなければならず、車両の状態確認、故障時の対応、異常事態への対処など、幅広いスキルが求められました。特に、速度計を見ずに運転する実技試験は、高度な運転技術と集中力が必要でしたね。

試験に合格できた時は、本当に安堵したと同時に、これまでの努力が報われたと感じ嬉しかったです。一発で合格できなかった場合、次の試験まで半年以上待つことになり、モチベーションを維持するのが難しかっただろうなと感じています。

その後、先輩運転士との運転経験を重ね、見極め試験を経て、晴れて一人前の運転士になることができました。しかし、2023年9月の台風による影響で、一部区間が運休となり、バス代行が行われるなど、想定外の事態に直面することもあったんです。このような経験を通じて、災害時の対応など、さまざまなスキルを身につけられました。

子どもたちの笑顔が私の原動力に

――仕事のやりがいや、成長を感じたこと、達成感を味わった出来事を教えてください。

鉄道好きの子どもたちが運転席をキラキラした目で眺めている姿を見る時、この仕事を選んで本当に良かったと感じます。車両の一番前、運転席の周囲は、多くの子どもにとって憧れの場所です。ご両親に「運転席に行きたい!」とねだる姿や、窓の外の景色を食い入るように見つめる姿を見ると、運転士という仕事に対するやりがいを改めて感じます。

また、運転技術の向上も実感しています。特に、ブレーキ操作は、自動車の運転とは大きく異なるため、最初は苦労しました。車両の種類や天候によってブレーキの効き方が変わるため、状況に応じた繊細な操作が求められます。運転士になって1年が経ち、ようやくブレーキ操作に自信が持てるようになってきました。

地域に根ざした鉄道で、多くの人とつながる

――玉尾さんが感じるいすみ鉄道で働く上での魅力について教えてください。

小規模な鉄道会社だからこそ、さまざまな部署の業務に携わる機会があり、部署間の連携も密に行われています。

また、いすみ鉄道は、都会へのアクセスが良いローカル線ということもあり、多くの人々と関わる機会に恵まれています。企業の方やメディア関係者の方など、普段出会うことのない方々との交流も盛んです。テレビや雑誌の撮影など、メディアに取り上げられることも多く、常に新鮮な気持ちで仕事に取り組めます。

もちろん、乗務員として、お客様との直接的な交流も魅力の一つです。列車に乗車されるお客様一人ひとりと触れ合うことで、この仕事に対するやりがいを感じています。

未来のいすみ鉄道を創るために日々精進

――今後の目標を教えてください。

今後も運転士として、運転技術の向上はもちろん、お客様へのサービスの質を高めるための取り組みを積極的に行っていきたいと考えています。より多くの方にいすみ鉄道の魅力を知っていただき、乗車していただくために、プロモーション活動やイベント企画にも積極的に携わっていきたいです。

また、後輩の育成にも力を入れていきたいと考えています。私自身、指導経験は浅いですが、後輩に教えることで、自分自身の理解も深まることを実感しています。今後は、指導スキルをさらに磨いて、後輩たちがスムーズに成長できるようサポートしたいと考えています。特に、現在育成中の後輩の試験が近づいており、無事に合格して、一緒に運転できる日が来ることを楽しみにしています。

一緒にお客様をもてなし、ローカル線を盛り上げてくれる方をお待ちしています!まずは見学に来てみてください

――これから応募を検討している方へのメッセージをお願いします。

いすみ鉄道では、若い世代の力を積極的に取り入れ、組織に新しい風を吹き込もうとしています。私自身も、意欲的で、一緒にこのローカル線を盛り上げてくれるような若い方に入社していただきたいと考えています。まずは、お気軽にいすみ鉄道に遊びにきてください。社員一同、温かく歓迎します。

いすみ鉄道は、都会の喧騒を離れ、ゆったりとした時間が流れるローカル線です。運転士がお客様に大きく手を振って見送るなど、温かいおもてなしが特徴となっています。こうした温かい雰囲気は、私たち社員一人ひとりの心が作り出しているものです。

そのため、お客様を大切にし、積極的にコミュニケーションを取れる方であれば、きっと活躍いただけると思います。例えば、子どもに自分の運転士帽をかぶせてあげたり、記念写真を撮るお手伝いをしたりするなど、ちょっとした心遣いがお客様の心に響きます。

またいすみ鉄道は、さまざまなことに挑戦できる環境が整っています。新しいことに興味を持ち、積極的に行動できる方であれば、きっと成長できるはずです。

いすみ鉄道で働くことに興味がある方へ