今回は、中途採用でいすみ鉄道に入社し、現在は営業課の課長代理及び地域連携推進本部の副本部長として活躍中の吉田さんにインタビューを行いました。
千葉県勝浦市出身の吉田さんは、前職で福祉業界の営業やマネジメント業務を13年間経験されています。吉田さんは「生まれ育った地域に貢献したい」という想いを胸に、いすみ鉄道への転職を決意されました。
そんな他業界から転職した吉田さんに、入社当時の様子や、営業課の仕事内容、やりがい、そして仕事をする上で大切にしていることなどを詳しく伺いました。さらに、いすみ鉄道が求める人物像や、吉田さんと同じように異業種からの転職を考えている方へのアドバイスも語っていただいたので、ぜひチェックしてみてください。
プロフィール
吉田 貴文さん|いすみ鉄道株式会社 営業課 課長代理
2022年4月 中途入社
千葉県勝浦市出身。前職は福祉業界で営業や管理職として13年間活躍する。「地元で地域貢献をしたい」という想いを胸に、Uターンすることを決意し、2021年4月からいすみ鉄道の営業担当としてキャリアをスタート。現在は、課長代理として営業課を管理しながら、いすみ鉄道のさまざまな企画を手がけ、組織作りなどにも幅広く携わっている。
地域貢献への熱い想いを胸に、福祉から鉄道業界へ

――いすみ鉄道に中途入社された吉田さんですが、まずはこれまでのキャリアを教えてください。
2022年4月にいすみ鉄道に入社する前は、13年間福祉業界で営業として働いていました。都内や千葉県を中心に営業を踏まえながら、その後は管理職として拠点運営や人材採用などにも携わってきました。
――いすみ鉄道に入社した理由を教えてください。
千葉県勝浦市出身の私は、地元に貢献したいという想いから、ご縁があっていすみ鉄道に中途入社しました。
高校卒業後は都内に進学し、前職では都内を中心に勤務していました。やりがいを感じながら楽しく働いていましたが、心のどこかで地元に戻りたいという想いが常にありました。前職でも地域密着をテーマに活動していましたが、地元への貢献を実感できずにいたんです。
そんな中、子どもと大多喜駅を訪れ、いすみ鉄道に乗車した際、この鉄道に大きな可能性を感じました。ローカル線でありながらも、もっとPRすれば面白いのではないかと思ったのを覚えています。
その後いすみ鉄道の求人を見つけ、社長と話す機会を得ました。社長の最初の印象は「個性的な方だな」というものでしたが、多くの人と接してきた中で、社長には他の人にはない魅力があると感じたんです。そして、この社長のもとで多くのことを学びたいとも感じましたね。
またいすみ鉄道は地元に根付いていながらも、廃線の危機にあることを知り、少しでも地元に貢献したいという思いから、入社を決意しました。
オールラウンドプレイヤーとしていすみ鉄道に貢献
――現在担当されている業務について教えてください。
入社4年目の現在、私は営業課に所属し、課長代理として課の管理も担っています。主な業務は、イベント企画や広報活動など、会社と地域社会をつなぐための活動です。
いすみ鉄道は小さな会社のため、業務範囲は多岐にわたります。運転士免許を持っていないため運転業務はできませんが、沿線の整備として草刈り、工務課が担当するような補修の手伝いなど、できることは何でも行っています。
異業界からの挑戦 ゼロからのスタート
――他業界からの挑戦でしたが、入社前はやはり不安はありましたか。
もちろん不安はありました。特に、鉄道に関する知識が全くない状態で、営業の仕事で何かを提案できるのかという不安が大きかったです。これまでのキャリアが活かせるのかという点でも、多くの疑問を抱えていました。
一方で、前職の営業経験も活かせていると感じています。「人と話す」という営業の基礎は、どんな分野でも共通する部分だと考えていました。私は、相手とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築くことを得意としていたので、その経験がいすみ鉄道での仕事にも役立っていると感じています。
そのため、鉄道の知識さえあれば営業として役立てると考え、とにかく「人と話す」ことを通じて知識を深めることに注力しました。先輩社員はもちろん、鉄道ファンの方々との会話も貴重な学びの機会となりましたね。
鉄道に関する知識をある程度習得するまでには、半年から1年ほどの期間を要しました。入社当初から、1年間は勉強期間だと割り切り、前のキャリアをリセットして仕事に取り組む姿勢でいました。ただ、同時に1年目であっても「プロとして見られたい」という強い思いを持ち、常に意識しながら業務に取り組んできましたね。
自ら積極的に情報を収集する姿勢を持ち続け、現在もまだまだ勉強中ではありますが、2年目頃から積極的に提案できるようになってきたと感じています。
お堅いイメージを覆す!いすみ鉄道の挑戦
――入社してみてギャップを感じたことはありましたか。
やはり鉄道会社と聞くと、お堅いイメージを持っている方も多いと思います。私もそういったイメージは持っていて、業界に入った今もそのイメージはあまり変わりません。
ただ、いすみ鉄道の一員となった現在、小さなローカル線だからこそ、地域の方々をはじめ、さまざまな方とのつながりを持つことが大切だと感じているんです。従来の鉄道会社のように、プライドを高く保つのではなく、さまざまな企業や団体とのコラボレーションを通じて、より多くの方に利用していただけるよう努めています。
以前は、鉄道ファンの方を主なターゲットにしていましたが、より幅広い層のお客様に魅力を伝えるために、アニメクリエイターや自動車メーカーなど、さまざまな企業とのコラボレーションを企画しています。一方で鉄道ファンの方に向けた活動も続けています。これらの取り組みを通じて、年間を通じた来客数も増加し、新たな顧客層を開拓できました。
鉄道会社は、一般的に外部との連携が難しいと思われがちですが、いすみ鉄道は積極的にコラボレーションを提案し、実現しています。そのため、多くの企業からコラボレーションのオファーをいただくことも少なくありません。
また、社内の風通しが良く、社員同士の連携もスムーズに進められるため、新しいアイデアも生まれやすい環境です。
「つながり」が生み出す未来
――吉田さんがいすみ鉄道で働く上で大切にしていることを教えてください。
いすみ鉄道で働く上で、私が最も大切にしているのは「つながり」です。
いすみ鉄道は、地域や他の鉄道会社、そしてさまざまな人とのつながりを築いていくことで、存続できると考えています。
例えば、現在いすみ鉄道は小湊鉄道と上総中野駅で接続していますが、このつながりが途絶えてしまうと、両社にとって存続の危機となる可能性があるんです。
物理的なつながりだけでなく、人とのつながりも非常に重要です。地域の方々とのコミュニケーションはもちろん、さまざまな企業や団体との連携を深めることで、いすみ鉄道の未来を築いていきたいと考えています。
地元の方々とのつながりも大切ですが、外部の方々とのつながりも欠かせません。両方のバランスを取りながら、いすみ鉄道の持続可能な発展を目指しています。
安全運行と営業活動の両立
――これまで大変だったことや、困難を解消した経験があれば教えてください。
これまでさまざまな困難に直面してきました。
鉄道会社は、安全運行を最優先とするため、ダイヤ通りに列車を運行することが最も重要視されます。しかし、営業活動を行う上では、柔軟な対応が求められる場面も多く、両者のバランスを取ることが非常に難しいと感じました。
特に、列車の運行に関わる運輸課との連携は、営業活動を進める上で欠かせません。当初は、私自身に鉄道の運行に関する知識が不足していたため、運輸課との連携がうまく取れず、企画が思うように進まないことがありました。
そこで、知識を身につける努力を重ねていきました。また経験を積むにつれ、ダイヤ編成や列車運行に関する知識も自然と深められましたね。そうしたことから代替案を提案できるようになり、社内での企画が通りやすくなりました。
想像を超える出会い!鉄道の仕事の魅力

――仕事のやりがいや、成長を感じたこと、達成感を味わった出来事を教えてください。
いすみ鉄道で働く中で最もやりがいを感じるのは、さまざまな方々との出会いです。
入社前は、鉄道会社の営業というと、他の鉄道会社の方々と関わる仕事が中心だと考えていました。しかし、実際には、メディア関係者の方や起業家の方など、想像を超える多様な方々との仕事を通して、日々刺激を受けています。
普段の生活ではなかなか出会うことのない、企業の経営層や国会議員の方と仕事の話をする機会があることも、この仕事の大きな魅力の一つです。
地元に根ざし、地域と共に成長する
――吉田さんが感じるいすみ鉄道で働く上での魅力について教えてください。
いすみ鉄道で働く上での魅力は、何と言っても地元の活性化に貢献できることだと感じています。
鉄道を利用したイベントや、地元のイベントに協力し、一緒にPR活動を行うなど、地域の方々と一緒に地域活性化に取り組めるのは、この仕事の大きなやりがいです。
特に、私はいすみ鉄道が本社を構える大多喜の近く、勝浦市出身なので、イベントに参加すると、昔からの知り合いや共通の知人にたくさん会え、まるで同窓会のような感覚になることも珍しくありません。地元に戻って働いてみて、「地元って良いな」と改めて実感していますね。
また、いすみ鉄道は第三セクターの企業ということもあり、福利厚生が充実している点も魅力の一つです。長期休暇や有給休暇がしっかりと取得でき、残業代もきちんと支払われるため、仕事とプライベートのバランスを取りながら働けます。
さらに、小さな鉄道会社ならではの良さを感じています。社長が身近な存在であり、気軽に相談できる環境は、他の企業ではなかなか味わえない貴重な経験です。私自身、近くに社長がいる状態で、多くのことを学びたいという気持ちで働いています。
ただ、社長は先ほども言った通り、人と違った魅力をたくさん持っている方なので、真似できない部分も多いと感じています。現在は、社長をサポートしながら、組織全体の底上げを目指しています。
房総半島の玄関口へ!魅力的なコンテンツで、多くの人を惹きつける
――今後の目標を教えてください。
今後の目標は、いすみ鉄道を房総半島の玄関口にすることです。
車を利用して房総半島を訪れる際は、大多喜を経由する方が多いかと思います。いすみ鉄道があるからこそ房総半島を訪れる、そう思っていただけるような魅力的な鉄道を目指したいと考えています。
いすみ鉄道で楽しんだ後に、鴨川や勝浦など、さらに足を伸ばしたいと感じていただける人が増えたら、地域全体の活性化にもつながると考えているんです。そのために、いすみ鉄道が多くの人を惹きつける魅力的なコンテンツを創出していく必要があります。
また、いすみ鉄道の存続も私の大きな目標の一つです。近年、多くのローカル線が廃線の危機に瀕しており、一部では「鉄道運転士は20年後には必要ない」という声も聞かれます。しかし、ローカル線で働く私からすると、それは全く違うと感じています。
他の交通手段やサービスが登場していますが、ローカル線はそうした大規模なインフラ整備が難しいのが現状です。また、いすみ鉄道のようなローカル線は、沿線の土地の価値や地域経済に大きな影響を与えています。もし、いすみ鉄道がなくなれば、地域は衰退し、多くの人々に迷惑をかけることになります。
だからこそ、私はいすみ鉄道が未来永劫に存続できるよう、さまざまな人々とのつながりを大切にし、地域に根ざした鉄道会社であり続けたいと考えています。
多様な仕事に挑戦できる!成長できる環境がここに

――これから応募を検討している方へのメッセージをお願いします。
これから入社される方には、とにかく楽しく働いていただきたいと願っています。
いすみ鉄道では、社員一人ひとりが主体的に仕事に取り組める環境が整っています。例えば、新しい企画を提案し、それが実現する機会も数多くあり、これまでのキャリアを持っている方も、新卒の方にとっても、やりがいを感じやすい環境だと感じているんです。大手の鉄道会社にはない、ローカル鉄道だからこそ感じられる魅力があるので、自分の得意なことを活かし、存分に仕事を楽しんでいただければと思います。
他業界からの転職を検討されている方は、入社直後は、鉄道に関する知識が不足していることに戸惑うことがあるかもしれません。とにかくたくさんの方との会話を通して知識を身につけ、経験を重ねることで乗り越えられます。
振り返ると、私自身は入社直後、前職の経験を最初から活かせなかったことを悔やんでいます。その原因としては、面接時点では業務の具体的な内容や社内の状況について聞けず、事前にイメージができていなかったという点にあると思っているんです。そのため、ある程度のキャリアを持って入社される方には、自分のキャリアがいすみ鉄道の業務でどう活かせるかを明確に持っていてほしいと思っています。そうすれば、自分のやりたいことが必ず出てきて、入社後にそれを実現してもらえると思います。
また、私はいすみ鉄道には「マルチに活躍したい」という考えを持つ方が合っていると思います。いすみ鉄道では、鉄道の運転だけでなく、駅業務、イベント企画など、幅広い業務に関わる機会があります。
「営業だけ」「運転だけ」といったように、特定の業務をやりたいという方よりも、「何でもやってみたい」というような、柔軟な考えを持った方と一緒に働けることを楽しみにしています!




